「ねぇ、今日空いてる?」



今日一日の終わりを告げるHRで、先生が教卓の前で来週の期末テストの業務連絡を話す。



特に普段通りの何もない一日だったな、と先生の声をBGMにして席が窓際の私はぼんやり晴れた空を眺めていた。



その時、前の席に座っている友達が振り返ると声を掛けてきた。



「あー・・・今日は一緒に帰る日なの。ごめんね?」



「またぁ~?!最近毎日じゃん!」



「ごめんって。今度空けとくからさ」



両手を合わせて軽く頭を下げ謝ると、友達の楓が少しがっかりそうにため息をつく。



「ううん~。でも羨ましい!また今度誘うね!」



楓は諦めたのか、ニッコリ笑顔を私に向けた。