「え・・・?」





何言ってるの?


「びっくりだよなぁ。亜貴は知ってんだけどさ、
 あいつ、うるせぇんだ。
 煙草やめろとか、あんまり運動すんなとかさ」








だからだ・・・。



祐兎はこんな性格だ。


強がって、
みんなに悟られないように振舞っている。




金髪は強がりの表れだった。



煙草を吸うのは、
躍起になっているか、




その行為もまた、病気を隠すため。



いつも水しか飲まないのは、心のどこかでは
必死に気をつけようとしている表れ。




そして、時折冷たい目をして、
遠くをみつめるようにするのは―









自分の死を覚悟して、
  すべてを悟ってしまっているから・・・。









「はは。そういえば悪ぃな。
 お前落としちゃってさ」


祐兎は楽しそうに
そう笑いながら煙草を取り出した。







やめて。




ダメだよ。



祐兎・・・。






気付くとあたしは
祐兎の取り出した煙草を払い落としていた。










「・・・何すんだよ」



「やめて・・・。祐兎」


「今さらなんでだよ。
 毎日吸ってんじゃん。

 あ、病院だから、とか言うんだろ?」






「ダメ!!!」





そう叫んであたしは、
別な煙草をくわえた祐兎にしがみついた。