あたしはずっと、
あのメンバーでやっていけると思ったから。
せっかく慣れてきた、
あたしの“居場所”だったから。
あいつが、
あたしを救い出してくれたから・・・。
「死なないで・・・」
お願い。
そんなこと言わないで。
祐兎は大丈夫だよ?
あたしをからかうように、
病気なんてふっとばしてよ。
あんたなら、
それができるでしょう?
「・・・うっ・・・・っ死なないで・・・!!」
「死なねぇよ」
え・・・?
夜道に響き渡る、低くて心地良い声。
振り返ると、そこには祐兎がいて、
息を切らせて大きく肩で呼吸をしていた。
「祐兎・・・。なんでっ!?
走ったらダメなのにっ!!」
あたしがそう言うと、
祐兎はあたしの体を引き寄せた。
「死なねぇ。お前がそんなに泣くなら、
俺は絶対死ねない」
「え・・・?」
「ここにいるから、だから、泣くなよ」
「祐兎・・・?」
「走ったって、喫煙したって、
水以外のものを飲んだって、
俺は絶対に死なない」
どうして?
祐兎は何を思ってそんなことを言うの?
「だから・・・泣くなよ」
そんなこと言われても、
そういわれるほど、涙が溢れてくる。
こいつの前では、泣いちゃいけないって、
そう誓ったはずなのに。
それなのにどうして?
涙が止まらないの。
とめどなく流れる涙を、
必死で止めようと頑張ると嗚咽が漏れる。
祐兎はあたしを離して、あたしの顔を見た。
その顔は、いつもの仏頂面なんかじゃなくて、
困ったような、
悲しそうな、
つらそうな、
そんな表情だった。
こんな顔をさせているのはあたし?
「笑ってろよ。
お前は笑った顔が一番かわいい」
「祐・・・・」
それは、本当に突然だった。

