「18年間、ずっと側に居たんだ。家族と同じぐらい近い存在なんだから、この絆は簡単に壊れねえよ。一緒に過ごしてきた時間がそれを証明してる。だから、大丈夫だって思えるんだ。彩愛に渡した卒業証書よりも、ずっとが証明してくれてる気がするし。まあ、作った本人が言うのもあれだけど……」



あたしがずっと手にしたままだった“片思い卒業証書”を見て、篤志は苦笑いをしながらそう言った。



卒業証書を片手で胸に抱く。

二人の今までの関係、そしてこれからの二人の関係を、篤志はここに記してくれた。


それは二人の関係を証明してくれるものになったけど、……篤志の言う通りかもしれないね。


目に見えるようなものはなかったけど、二人で作った思い出や過ごしてきた時間が、とっくの前から二人の関係を示してくれていた。


別に、特別な形で表す必要なんてどこにもなかったんだね。


離れても繋がっていられる気持ちは、ちゃんと二人の中に芽生えていたのだから。


だから大丈夫だと、あたしも篤志も思うことが出来たんだよ。



「ねえ、篤志。恋人ならいつまで一緒に居られると思う?」



いつかと同じように、ふと気になってそんなことを聞いてみる。


すると案の定篤志は、迷いのないしっかりとした声で答えてくれた。