教室では、やはりあいつ、田嶋大輝がいた。

すっかり、女子からも男子からも人気者だ。

みんなは好き好き言うけど、私は一番嫌いなタイプ。

だって、チャラいし、軽いし、誰にでも優しい言葉をかけて、一番女子を悲しませそうなやつだから…。

「ねぇ。そんなに俺のこと睨まないでくれる?」

げ!睨んじゃったよ。

「それとも、睨むほど、俺のこと見てたいの?」

出た。これだ。なんでモテる男子って、全部こんなんだろう。

私のなかで、なにかが切れる音がした。

そして、気づいたときには、もう遅くて…

「あんたなんて、だいっ嫌い…!!!」

言ってしまった。

「へぇ。俺のこと嫌いなんだぁ、遥ちゃん?」

なんなんだよ、こいつ!なんか、めちゃくちゃムカつく!本当に嫌い!