【テーマパーク1】



春太「……七世と白雪が寝返った」


真白「言い方が……ていうか、付き合ってるんだからそうなるのが普通じゃないの?」


桜子「そうよ。彼女がいないあんたには分からないと思うけど」


春太「なっ……! おい、今この女言ってはいけないことを……!」


鈴木「ねー、わたしあのぐるぐる乗りたい」


真白「待って待って鈴木! 七世と白雪が居なくなった途端のばらけ感がやばい……」


春太「こういう時にちゃんとまとめろよ委員長」


桜子「こんな時ばっかりそういう呼び方してくれちゃって。とりあえずお昼まで適当にアトラクション乗ってればいいんじゃない?」


春太「まとめ方が雑……」


鈴木「ぐるぐる……」


春太「はっ、俺そのぐるぐるだけは絶対乗らねぇから! あれ一番こえーのじゃん! あれだけは絶対乗らねぇから!」


真白「え、春太アトラクションの絶叫系も無理なの?」


春太「自慢じゃないが……3秒で漏らすわ」


桜子「……何をよ」


春太「えっ、待って! 真白は……? 絶叫系とか乗れんの?」


真白「え? 普通に……わりと好き」


春太「えぇ……!? 絶対無理そうなのに……! 怖いよぉとか言ってそうなのに……!!」


真白「アトラクション系はわりと大丈夫なんだよね。ご期待に添えず……」


春太「まじか……」


鈴木「じゃあ中原くんと藤咲さんと乗る」


桜子「えっ! あ、あたしは……ほら、その……!!」


春太「……あれ、お前って」


桜子「は、春太が1人じゃ可哀想だし……!! 真白と鈴木さんで乗ってきていいわよ! 本当は乗りたいけど!!」


春太「いや、別に絶叫系乗らない他の連中のとこ行くからいいよ。桜子も乗ってこいよ」


桜子「ううう、うるさいわね、別にいいっつんってんのよ。ほら、鈴木さん真白連れて行っていいわよ」


鈴木「うん、行く」


真白「わっ、急に引っ張らないで……! そこ引っ張るとズボン脱げるから……!!」


春太「ズボン脱げるって……どこ引っ張ってんだ鈴木」


桜子「…………」


春太「……さて、行くか」


桜子「べ、別に絶叫系なんて乗ろうと思えば乗れるのよ。ただ……あんたが1人だと……その……」


春太「……分かってるよ。俺の為ね、はいはい」


桜子「……むかつくわ、その適当に流す感じ」


春太「あの鬼より怖い桜子が、ああいう系ダメとはね」


桜子「……っ、言わないでよ! 誰にも!」


春太「別に、女子がああいうの苦手でも変じゃねぇと思うけど」


桜子「嫌なの、苦手なものを誰かに知られるのは」


春太「……そんなの隠してお前は誰に勝つつもりだよ。安心しろ、お前に勝てるやつなんていねぇから。お前は強い」


桜子「それが励ましてるつもりなら、このまま右手のグーを目の前のへこみに真っ直ぐ突き出すわ」


春太「お、俺のみぞおちが狙われている……! これなんてアトラクション!?」


桜子「アトラクションなんて大げさね。ただの小突きじゃないの」


春太「俺の知っている小突きと激しく違う……!!」