【従兄弟】



春太「おっせえよー! 提出物出しに行っただけなのになんでそんな長いんだよ」


真白「いや、なんか……そこの廊下で生徒会長が変な子に絡まれてたから」


春太「変な子? 鈴木のこと?」


真白「いや、鈴木はなんていうか……変だけど馬鹿ではないじゃん? その子はもっとこう……アレっぽい」


七世「濁すの下手くそか、普通に馬鹿っぽいって言えば」


春太「誰だよそれ~可愛い?」


真白「またすぐそうやって……でも、小柄で結ってたけど髪が長くて可愛かったかな」


七世「なんかどっかで見たことある感じなんだけど……」


春太「えー、ますます気になる。名前とか聞かなかったの?」


真白「聞かないよお。あ、でも自分のこと"みゃー"って呼んでるみたい!」


春太「……みゃー……」


七世「………春太?」


春太「…………」


真白「……どうかした?」


春太「……それ、俺の従兄弟だ……」


真白「えぇー……!!」


七世「従兄弟、隣のクラスに居たんだ」


春太「まぁ……なんていうか、アホの子だからアイツ……その」


七世「だいたい一言話しただけでそこらへんは理解した」


真白「なんていうの名前」


春太「えーと……小花 美弥? 俺の父の兄弟の娘」


真白「へぇー……従兄弟だったんだ」


春太「中学から一緒だけど、アイツアホだからあんまり関わらないようにしてたからな」


七世「どうりで……なんか春太に近いものを感じた」


春太「なんだよそれ! 俺はあそこまでアホじゃねぇぞ!」


真白「すごい厄介そうな子だから……覚えられてないといいな」


春太「大丈夫じゃね、2歩歩くと大体のこと忘れるからアイツ」


七世「ニワトリでも3歩なのに……」


真白「さすが春太の従兄弟……」


春太「どういう意味だ」