【棚】



桜子「ごめんね会長」


湯浅「まだ言ってるのか? 別に大丈夫だよ。もともとあの棚壊れそうだったんだし。そろそろ買い替えた方がいいって先生にも言われてたから」


桜子「まぁ……でも資料重ねすぎて壊したのはあたしだからなあ」


湯浅「あの資料をそこに置いてって言ったのは俺だし。お互い様じゃない?」


桜子「でも会長、先生には自分が壊したって報告したでしょ」


湯浅「……忘れた」


桜子「真面目な会長がそんなこと忘れるか! あーぁ、なんだか悪いなー……」


湯浅「まぁ、だからこうやって新しい棚探し付き合ってもらってるんだから、いいんじゃないの? もうこの話は終わり」


桜子「……強引だ」


湯浅「これでも生徒会長になったからね。使える権限は使っておく」


桜子「なんて横暴……」


湯浅「君もよくめんどくさい事は暴力で解決しようとするだろう……それこそ横暴だ」


桜子「それ言わないでください。まじで。おしとやかな副会長のイメージ壊れるんで」


湯浅「クラスが違うからか、君が他の人と話してるところはあまり見たことがないが……俺以外にはそういう設定で通ってるのか」


桜子「そんなあからさまに引かないでよ……」


湯浅「…………」









春太「……よ、よお」


桜子「……!?」


湯浅「?」


春太「デートか」


桜子「なんであんたたちここに居るの!?」


春太「あれだな、もうすぐ秋も終わるからな」


桜子「最悪のタイミングだわ……」


春太「あ、そういえばお前明日生物の課題見せろよ」


真白「…………」


七世「……噛み合った会話をしろよお前ら」


桜子「…………」


湯浅「藤咲さん? 彼らは……」


桜子「えっ……あー……クラスメイト? の三門くん、間宮くん、中原くんです」


春太「三門くん……!?」


真白「中原くん……!?」


七世「間宮くんって……桜子にそんな優しい呼び方される日が来るとは」


桜子「……あんたたち余計なこと言ったら全員の舌噛みちぎるから」


真白「笑顔こえぇ……!!」