「 」で出来てく物語




【ホームセンター】



春太「なんでせっかくの休みに野郎3人でホームセンターなんだよ。せめて人目につかないところでほそぼそと生きていたい」


真白「新しい棚が欲しいから一緒に見に行こうって言ったの春太じゃーん。俺寝てたかったのに」


春太「うっせーやい! 睡眠と春太。大切な方を選ばなきゃいけない時もあるんだよ」


七世「悩みに悩んで俺は睡眠を選ぶ。帰る」


春太「待てよぉ! 頼むよぉ! 部屋に棚を置きたいんだ……たとえこの身が朽ち果てようとも」


真白「話がおもっ……なんで棚一つでこんなに頭下げられるのこの人」


七世「ただ構ってほしいだけなんだよ。そっとしておいてやれ」


春太「……構ってほしいし、棚が欲しい」


真白「……じゃあ早く棚のコーナー行こうよ。どこら辺だろう……」


七世「あっちじゃないの……あ」


真白「七世?」


春太「おい、どうした。熊でもいるのか」


七世「……熊はいないけど、桜子が居る」


春太「は? なんでアイツ? てかそれ熊みたいなもんだろ」


真白「失礼でしょ、絶対ぶっ飛ばされるよ……白雪と?」


七世「いや……桜子がオトコと居る」


2人「「……!?」」


春太「は? どれ? ドコ!」


七世「棚んとこ」


真白「えっ……あ! ほんとだ! 誰だろう」


七世「もしかして」


真白「……浮気」


春太「……なんで2人揃って俺を見るんだよ! 別にアイツと付き合っちゃねぇよ!! 浮気でもねぇ!!」


七世「っち。まだだったか」


春太「舌打ち聞こえてんぞ。まだってなんだよ、まだって」


真白「棚の方見てるからあんまりよく顔見えないなあ、相手の人」


七世「髪長いな、なんかどっかで見た」


春太「ど、どこでだよ……」


七世「……気になる?」


春太「あ? んなわけねぇだろ」


真白「じゃあその目細めてめっちゃ見ようとしてるのにやめなよ」


春太「ドライアイなんだ」


真白「じゃあ目細めてないで瞬きしなよ。死んじゃうよ」


七世「てか、普通に俺らも棚見たいし早く行こうぜ」


春太「は! あそこに!?」


七世「早く帰りたい」


真白「別にやましいこともないんだし、普通に話しかければいいと思うけど」


春太「……お、お前ら行けよ」


七世「中学生のノリみたいなこと言うなよ。ほら行くぞ」


春太「……っ」


真白「春太変な顔~」