【文化祭4】



桜子「ニャーーーっ!!!」


お客さん「あ、猫さんだー、可愛いー」


桜子「ニャ、ニャーーーっ!!!」


お客さん「ネコ耳触ってもいいですかー?」


桜子「ニャ…………ど、どうぞ」


お客さん「フワフワだー、頑張ってくださいねー」


桜子「ありがとうございます……ニャ」


春太「…………お前やる気あんのか」


桜子「あるわよ! ちゃんとやってるじゃない!!」


春太「さっきからずっと今みたいな感じじゃねえか」


桜子「う、うるさいわね!」


春太「化け猫というより猫かぶりだな。いつもの怖い顔でやれば客も血吐いて逃げるのに」


桜子「……血は吐かないと思うわよ」


真白「2人ともー、そろそろ次のお客さん来るから!」







桜子「ニャーーーっ!!!」


男の客1「えーなになに、可愛いんだけど。ネコ娘?」


桜子「ニャ、ニャーーーっ!!!」


男の客2「さっきの雪女の子も可愛かったけど、このお化け屋敷レベル高くね?」


男の客1「女の子のレベルが、だろ?」


男の客2「ギャハハハ、そーそー」


桜子「ちょ……手、離してもらっていいですか」


男の客1「あれ、猫なのに人間の言葉とか話していいのー?」


桜子「…………」


男の客2「耳とか触っていい感じ?」


桜子「……っちょ!!」


男の客1「お前それネコ耳じゃなくて、その子の耳だろーが」


男の客2「耳たぶふにふにしてるよ、この子可愛いー」


桜子「……やっ(気持ち悪)」





春太「お客さん、可愛い女の子をお探しならこっちにもとびっきりのミニスカ美女が居ますけど」


男の客1「えっ、どこどこ」


春太「ここにいるでしょ、ほら」


男の客2「うっわ! なんだこいつ!」


桜子「は……るた」


男の客1「美女って……変態かよ! こえーよ!!」


春太「うちはお触り禁止なんで、すいませんけど出てってもらえます?」


男の客2「はぁ? こっちは客だぞ客。どうしようが自由だろ」


春太「うっせーな!! 勝手にコイツに触るなっつってんだよ!! 出口はあっち! 早く出てけやオラ!!」


男の客1「うっ……いって!?」


男の客2「な、なんだこれ! 何投げたんだ!」


男の客1「おい、これこんにゃくだぞ……しかも……味噌だ……味噌がついてる!! 何故!?」


男の客2「味噌くせぇ!! 髪もベトベトする!!」


男の客1「おい、早く出ようぜ……お化け屋敷なのに味噌コン使うなんて、ここイカレてやがる!」


男の客2「ッチ。こんのクソガキが……! もうこんな糞高来ねーかんな!!」


春太「はいはい糞高糞高。もう来んなよー」


桜子「…………」





春太「……大丈夫か、休憩行く?」


桜子「……ううん。ごめん……春太」


春太「な、なんだよ……謝んなよ。だいたいいつものお前ならあんなチンピラ男の1人や2人くらい……」


桜子「……だ、だって……怖かったんだもん」


春太「な、泣くなよ……!! ごめんって!」


桜子「ううん……っ」


春太「……桜子」


桜子「…………ありがとう……春太」


春太「あー……うん」


桜子「ありがとうね」


春太「……分かったから、泣くなっての」