【UFOキャッチャー】



真白「あー、これかわいい」


春太「よし、俺がとっちゃる」


七世「会話だけ聞くとカップルすぎてキモイ」


春太「真白が欲しいっつってんだぞ。七世の心には何も響かないのか?」


七世「逆にお前の心には何が響いてんだよ」


真白「だいたい春太UFOキャッチャーとかできるの? 不器用だからこういうの苦手でしょ」


春太「馬鹿か。こんなもの片手でも出来るわ!」


七世「ボタン押すだけだからな。片手で充分だろうよ」


春太「はい! スタート!」


真白「頑張れ春太!」


七世「…………」


春太「……思ったより難しいな」


真白「…………」


春太「あっ……ちょっと」


七世「…………」


春太「うわ……やられたわ」


七世「何がだよ。アームかすってもねぇじゃんか」


春太「いいところに気がついたな七世」


七世「は?」


春太「そういうことか……はなからこのUFOキャッチャーは俺にブツを取らせる気はなかったんだ」


真白「見苦しいから、無理なら無理って素直に言いなよ」


春太「あ、やべ。俺5時から塾あんだわ」


七世「嘘つけよ、塾行ってねぇだろ」


春太「あ、お母さんと進研ゼミやるって約束だったかも」


真白「じゃあ早く帰れば」


春太「…………ごめん、俺UFOキャッチャー苦手だった」


七世「悪いけど知ってたよ」