【こたつ】



桐生「……なんでうちに居るの?」


鈴木「桐生くんのお母さんが昨日こたつ出したって教えてくれたから」


雅「蓮が桐生んち行くって聞いたから」


鈴木「誰にだよお」


雅「蓮のお母さんにメールで聞いた」


鈴木「なんでわたしのお母さんのメアド知ってるんだよお」


雅「将来自分の母親になる人のアドレス知ってて何が悪いんだよ」


鈴木「やだあ。雅くんがうちに嫁に来ようとしてる……」


桐生「せめてお前が行けよ……ていうか、それはどうでもいいんだ」


鈴木「よくない。桐生くんはわたしがどこの馬の骨ともしれないヤンキーの花嫁にされてもいいの?」


桐生「どこの馬の骨って……幼なじみだろうが」


鈴木「あはは……ちがう」


雅「えっ、違うくなくない?」


桐生「あー……もう。冬休み初日から人んちでゴロゴロと……」


鈴木「だってうちこたつないもん」


雅「うちはある」


桐生「じゃあ自分んちのこたつに入れよ」


雅「別にいーじゃん。近所なんだから、俺んちのこたつに入ろうとお前んちのこたつに入ろうと……変わんねぇだろ」


桐生「変わるわ」


鈴木「まぁまぁ、桐生くんも入りなさいな」


桐生「入るよ、俺んちだし」


雅「……眠い」


桐生「寝るな」


鈴木「ちょっとお……雅くんの足じゃまー」


雅「蓮の足ならいつでもウエルカム」


鈴木「キモイ」


桐生「いった! おい、蓮が蹴ってるの俺の足だぞ」


鈴木「間違えた……第一どれが誰の足かなんて分かんないよ。ちゃんと紹介して」


桐生「は? 何を? 足を?」


鈴木「せんえつながら紹介させていただきます。こちら僕の右足です。よろしくお願いします……みたいな」


桐生「……訳わからん」


鈴木「あーもう、寝る」


桐生「いって! おいまた足蹴ったぞ!」


鈴木「……ZZZ」


雅「……ZZZ」


桐生「何しにきたんだよこいつら……」