【ジャージ】



七世「……あ」


鈴木「間宮くんだ。ごめんね、今虫持ってないの……」


七世「そんな悲しそうな顔しなくても別に期待してない」


鈴木「次体育だよお。男の子は外でしょ」


七世「おー。てか、なんで鈴木半袖なの? もうすぐ冬なのに寒くないの?」


鈴木「に……日光浴するから」


七世「嘘つけ。女子は中でバレーじゃん」


鈴木「なんで知ってるのー? 間宮くん女子?」


七世「女子に見えるか」


鈴木「ううん。でもちょっと女顔だよね」


七世「……うるせー」


鈴木「バレーしたら暑くなるからいいんだよう」


七世「お前が運動してるの見たことないぞ」


鈴木「動くと背中の古傷が開くの……」


七世「思い設定背負ってんだな」


鈴木「……っうわ」


七世「身震いしてんじゃん。ジャージの上着ろよ」


鈴木「何言ってんの。わたし今汗だくだくだよ」


七世「青白い手足に鳥肌たってんぞ」


鈴木「誰がチキンよ」


七世「言ってねぇよ」


鈴木「あーもう、体育館に行きたいのに間宮くんが邪魔をする……」


七世「……もういい、行くわ」


鈴木「うん、グラウンド昨日の雨でぐちゃぐちゃだから転ばないでね」


七世「鈴木と一緒にするな」


鈴木「わたし転ばないよお」


七世「……じゃーな」


鈴木「…………」








白雪「あ、鈴木さん!!」


鈴木「?」


白雪「わー、寒そう……! 早くこれ着て!」


鈴木「ジャージ……?」


白雪「うん。わたし2着持ってきてたからさ、ジャージ忘れたなら言ってくれればもっと早く貸せたのに」


鈴木「……ありがとう?」


白雪「あはは、どういたしまして。ちょっと大きいけど」


鈴木「わたしがジャージ忘れたのなんで知ってるの?」


白雪「え? 鈴木さんが七世くんに頼んだんじゃないの? ジャージ忘れたから貸して欲しいって鈴木さんから伝言頼まれたって……さっき七世くんが……」


鈴木「(……あの男が……バレてたんだ)」


白雪「……どうかした?」


鈴木「なんでもない。ありがとう和さん」


白雪「はーい」