【リンゴ5コ分の強さ 未来】



真白「あれ? 白雪?」


白雪「……あ、真白くん! ご、ごめん助けてもらっていい?」


真白「うん大丈夫。ていうかどうしたのこんなに資料たくさん……重っ!」


白雪「英語の授業で使うから運ぶように頼まれたんだけど……ほら、わたし英語係だから」


真白「1人?」


白雪「葛西くんと一緒なんだけど、今日お休みでしょう?」


真白「それなら七世にでも頼めば良かったのに、絶対手伝ってくれるから」


白雪「うーん、七世くん寝てたから。起こしちゃうのもかわいそうだなって」


真白「相変わらずやさしいなぁ。良かったよたまたま俺が通りかかって」


白雪「ごめんね、真白くん力無さそうなのに……」


真白「ひ、ひどい! 人並みにはあるよ……!」


白雪「ふふ、冗談。男の子だもんね」


真白「でも、昔から重いもの運ぶのは苦手だったなぁ……ちっちゃいときはすぐ泣く子だったし」


白雪「あら、わたしもよ。弱虫で泣き虫だったわ」


真白「えー、なんか白雪は小さい頃からしっかりしてそう」


白雪「保育園も小学校も違ったもんね。そんなんじゃなかったよ。真白くんの小さい頃はなんとなく想像つくなぁ」


真白「お母さんがよく遠いのに隣町のスーパーまで買い物に行かせるんだよね。「シロちゃんは男の子なんだからそれくらいできるでしょ」って!」


白雪「え……」


真白「ん? どうかした?」


白雪「あー……ううん。なんでもない。すごいね、お母さん」


真白「おかげさまで買い物には苦い思い出ばっかりだよ」


白雪「(私も小さいときシロちゃんって呼ばれてたのよ……なんて、言わなくてもいいか。昔の話だし)」