「ここ、どこ……?」
私のそんな呟きは波の音でかき消された。地面には砂浜、目の前には夕陽に照らされたオレンジ色の海。後ろには亜熱帯によくある熱帯林がどんと構えていて、ヤシの木なんかも生えてて現実を突きつけられている気分だ。
「どこかなんて知るか。流されたのは間違いねーよ」
「あー、眼鏡ないからよく見えない」
隣には私に突っ込みを入れたヤト君と、目を細めて目の前の光景を裸眼で見ようと試みているアラン先輩。でも、残念ながら私たちの目からも何も、別の大陸さえも見えない。
そう、ここは孤島。
私たちは今、そこでぽつんと座っている。