その写真には、賞状を持っているユラとトロフィーを掲げているヤト君がいた。バスケ以外は負けちゃったけど、持つならこの二人だろうと皆が勝手に決めたのだ。

いざ撮ろうと並んでいると、何もしていないタク先生が列に割り込んできた。何にもしてないじゃん先生、と皆からブーイングを受けるもお構い無しに写真に映ろうとする。

皆もバカらしくなってきたのか、じゃあ先生も良いです……と最後には折れて許した。それに気分を良くしたのか先生はさらに割り込んで来て、ついには写真のど真ん中に居座って満面の笑みを向けていた。その顔は見事に写真に撮られているのでいつでもはあ……とため息を吐けるほどの無邪気な笑顔を見られるようになっている。

そのため息の意味は……嗚呼、こんなこともあったなあ……といった感じ。


球技大会が終わってから皆和気藹々とした雰囲気となり、団結力も強まったと思う。でもその雰囲気を軽々とぶち壊したのは中間テストの存在。

球技大会の3週間後で、数字、理科、歴史の筆記と、家庭科、体育、魔法の実技のテスト。

実技とは実際にやるという意味で……家庭科は調理、体育は持久走、魔法は実演だった。もちろん生徒会の魔法の実技は別個で、私の単位はどうなるとかというと……

うん、適当につけとくよ。

の先生の一言で説明がついてしまった。ヤト君にはずりぃと言われたけどしょうがないもんはしょうがない。できないんだからさ。


そして、私は今もこうして寝る前に勉強をしている。今日は数学の勉強のためにひたすら問題を解くことにした。



……最近、蝉の鳴き声が聞こえてくるようになった。汗も暑い日はたまにだらだらと流れてくる。

そろそろ夏が始まろうとしていた。