私の名前はミク・カーチス。昔は名字と名前の間にラ、とかデ、とか入れてたらしいけど今はなくなってる。ラは未婚女性、デは男性を表してたんだって。

まあ、それは置いといて。


誕生日は7月15日。夏生まれ。

家族は両親と兄がひとり。兄は別の学校出身で、今はその学校の先生やってる。科目は確か、数学だったかな。


あ、学校はね、16歳からなんだ。20歳で卒業と共に大人の仲間入り。その歳になれば成人と認められて就職できるんだ。

兄?兄は22歳だよ。だから先生になって2年目だね。他校との交流があれば会うかもしれないなぁ。

両親は……秘密。平凡な家庭だよ。ごく普通のね。それ以上でもそれ以下でもない。


どうしてこの学校に入学したのかって?


どうしてって言われても……書状が来たんだこの学校から。変更は不可って決まってる。そういう決まり。全ての学校は強制的に全寮制でね、皆親元を離れて生活するんだ。

寮は校舎の隣にあるよ。少人数制なのは寮に全員入れるようにするためなのかもね。私は5115号室。5階の1組の15番っていう意味。学年が変われば部屋も変わる。

5階は1年生。2階は4年生。1階は食堂とかお風呂とかランドリーとか。


そうそう、ここ数十年で科学が発展してね、電灯を使うことができるようになったんだ。それ以前は灯油ランプ。不便だったんだけど、電気が通るように整備されたからいろいろとできるようになったみたい。

冷蔵庫とか、エアコンとか、洗濯機とか、電子レンジとか。

こういうのはね、昔の人がもたらした物なんだって。その人は別の世界からやってきた人でね、その人が一生懸命拙いながらも説明して科学者が何年もかけて完成させたんだ。

電気って便利で役に立つよね。その電気を発電させてるのは、発電所。主に風力発電所かな。

それはね、風の魔法で風車を回して発電してるんだ。人間が魔法を使えるようになるには資格が必要で、学年を卒業したら資格を得られるになってる。画期的だけどめんどくさいと思うな。

だって、子供は魔法を使っちゃいけないってことじゃん。大人の目が行き届いてるときにしか使えないなんて不便だよ。もしくは自分が大人にならないと。でも、それぐらい魔法は危険なんだ。昔は戦争にも使用されて悲惨だったらしいし。

でも風力発電は体力と根性さえあればいいから、バイトでやってる人が多い。それでも時給は高いんだって。兄が言ってた。



話が脱線しちゃったね。なに?魔法のことが知りたいの?あと妖精のことも?



それは後々わかることだよ。取り敢えずはここまで。