あの頃のオレから
何一つ変わっていない。



海斗が見つかった一報から、
何一つ、
思い通りに動けなかったオレ。



病院の周囲には
マスコミが殺到して、
院長らに迷惑を
かけたことは必須。




だが・・・今更、
オレが出て何が言える。




……海斗を
自殺に追い込んだのはオレです……。






そう言ったところで
事態は何も変わらない。



脊損の影響で
アイツはもう二度と
ベッドから起き上がることはない。


そして……通常執刀される
三度に渡る手術。


その手術すら
体力の関係で
行えるかどうかわからない。


例え、行えたとしても
アイツの寿命は残り僅か……。

骨肉腫が
治ることはない。




それほどに……
アイツの病状は進行してる。



苦しむことが
わかりながら、
アイツをラクにして
やることすら
出来なかったオレ自身。



何もかもが嫌になって・・・
オレは病院からも
アイツからも逃げ出した。