……懐かしいな……。






扉の向こうに
広がる世界は……
俺がずっと……
居座り続けたい……
大切な時間。





あの頃の……
嵩継は……
むかつくくらいに
自信ありげで……
自慢の……
足を……
披露して……
俺たちに
いろんな世界を
見せてくれた。





あの日の……
アイツが……
帰って
きたらいいのに……






扉を開いたまま……
その扉の世界に
一歩、
踏み込むことも出来ず
俺は……
ドアの前で
立ち尽くしていた。






扉の向こうに……
行きたいと望む俺。





嵩継を
これ以上……
傷つけたくなくて……
嵩継から
姿を消した俺。





だけど……
気が付いたんだ……。




俺……
今、俺が一番やられて
むかついたこと……
アイツにしたって……
現実に……。





あの時は……
嵩継を
悲しませたくないから

好きだから……
これで終わりにしたくて
踏み切ったはずなのにな。



今更……
何言ってんだよ。




俺自身に……
自問自答しながら



絶対に……
やりたくなかった
それを……
今度は……
俺がやっちまった
事実を
受け入れると……


それ以上……
歩き続けることも
出来なくて……。




ただ……
その場で……
立ち尽くしてた。






扉の向こうの
思い出は……
もう……
同じ時を刻めない。