一段ずつあがることすら、
体力を酷く消耗させていく。
途中で休憩を挟みながら、
何とか屋上に辿りついた俺は、フェンスを背に座り込むように
煙草をふかしはじめる。
煙草をくわえては、せき込む……。
それを繰り返しながら、
何とか一本、吸いきった時には
『うまい』とかそう言う感想はなく……
アイツへの文句しかわかなかった。
ちくしょー。
フェンスに向かって、
腕を怒りに任せてぶつける。
嵩継っ!!
汚ねぇだろ。
アイツが……
真実を告げるまで……
俺は全てを放棄してやる。
アイツに信用されない俺に
存在する意味はない。
それは……
アイツと出会うまでの俺。
アイツが消えた6年間で
もう十分だ。
自分を痛めつけるかのように、
また煙草を取り出して、
ゆっくりと火をつける。
くわえては、
咳き込みながら……
同じことを繰り返しながら、
アイツがこの場所へ辿りつくのを
俺は待ち続ける。



