「海斗。
 
 今日、店休み。
 おばさんも寝てるし、開けれないだろ。

 お前、鷹宮連行な」





そう言うと、今もうまく動けない海斗を抱え上げて、
愛車の方へと運び出す。



「鍵何処?。
 おばさんにも連絡して、鍵かけてくるから。

 後、店にも張り紙しといてやるから」




愛車に放り込んだ海斗をそのままにして、
店の方へと戻ると、
おばさんに行先を告げて、
戸締りを終えて車へと戻った。




車に戻る間際、
鷹宮へ電話を入れる。




「鷹宮総合病院、医局」


声の主は、成元御大。



「お疲れ様です。

 安田です、上村医師いますか?」



以前の海斗の主治医でもあった上村さんを呼び出して
診察を取り付けると、駐車料金の精算を終えて愛車に滑り込んだ。 





鷹宮へ向かう道中、
無言の沈黙が車内に広がる。



ただオレの気苦労で会ってほしい。




それだけを祈りながら。