息抜きのサッカータイム。




気になりながらも、手術の後だからと
自分に言い聞かせた。



だがその後も、
アイツは足を引きずってる。





毎日のように持って来てくれた
弁当も、最近はピタリと来なくなった。



そんなアイツの状態が気になって、
時間を見つけては、
アイツの店へと姿を出す。







アイツが話し出すのを
待ってても埒があかない。





「お邪魔します。

 おばさんは?海斗」


「おふくろは、上。

 今日は疲れやすいらしくて、
 今は休んでるよ」

「様子見てきていいか?」

「あぁ。

 おふくろも嵩継来てると
 喜ぶから。

 俺、もう少し夜の仕込してるから」





そう言うと、海斗はやはり
今日も足を引きずるように
調理場の奥へと入っていった。





靴を脱いで、
勝手知ったる家になりつつある、
この店の二階へと歩いて行く。





「おばさん、お邪魔します。

 疲れやすいって
 大丈夫ですか?」




いつも通りに、おばさんの部屋へと
入ると布団の中で横になってる
おばさんの様子を見る。




「あらっ、嵩継君。

 ごめんなさいねー」

「起きないでいいですよ」

「薬飲んで少し休むわね。
 夜までにはたてなおさないと。
 仕事に差し支えるわね」

「あぁ、おばさんが無理なら
 オレ手伝いますよ。

 居酒屋でバイトしてましたから。
 明日の朝まではとりあえず休みなんで」





そう言うと、
おばさんの布団を再度かけなおして、
ゆっくりと部屋を出た。