「かぁーっ、うめぇ」


一気にビールを開けると、
そのまま食事を綺麗に平らげると
そんなオレを見ながら、
勇人が苦笑してた。


「今度、また聴かせろよ。
 さっき、
 お前が弾いてた曲」



汚れた食器を洗いながら
隣側で、
一緒に食器洗いを手伝う勇人に
告げる。



「機会があれば……」


そう言うと、アイツはダイニングのあかりを消して
ゆっくりとオレたちの部屋に続く廊下を歩きだす。


別館1階。

オレの寝室の前で、足を止めると
後ろを振り向いて「おやすみなさい」っと
一言告げると、
階段をゆっくりと登って行った。




そんなアイツを見送って、
寝室のドアを開くと
オレは再び、ベッドへと倒れ込んだ。

たかが一本。
されど、一本か……。



疲れた体に染み込んだビールってのもあって、
オレは、再び、眠気に逆らうことなく
夢の中へと吸い込まれていった。