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目が覚めた時には……
住み慣れた
自分の部屋のベッドで眠っていた。
その夜の出来後が、
夢ではなかったのだと
自覚させられるのは
あの事件の後から、
姿を消した嵩継さんの存在。
あの事件のさなか、
嵩継さんは姿を消した。
自室のベッドを這い出して、
今日も時間を見つけて、
井津さんが眠る
ICUの前へと歩いて行く。
海斗さんは……
今も目覚めない。
胸騒ぎの夜は、
こうしてゆっくりと
時間を刻み続ける。
未来だけを確実に連れながら。
僕たちに出来るのは、
祈り続けること、
信じつづけること。
勇人と二人、
嵩継さんと井津さんの為に
今日も僕たちは祈り続ける。
明けない夜はないと……
強く信じながら。
The End



