Eternal Silence


僕と事務長も
すぐに乗り込むと
『閉』ボタンをすぐに勇人が押す。


「勇人、そっちは?」

「警備員の数、
 20人くらい増やして貰った。

 今、それぞれに配置して貰ってる。

 医局に居た医師たちも、
 警備員さんと入れ替わって
 もう少しで
 院長室に来てくれると思うから。

 手術室の方も覗いてきた。

 まだ時間かかるみたい。

 海斗さん、
 何回か心停止してるみたい。

 千尋の方は?」


「マスコミの方は僕が抑えてきた。

 とりあえず待機室ように部屋を作って
 お父さんの記者会見が始まるまで
 その部屋に居て貰うことにしたから」

「そっか。お疲れさま、千尋」

「勇人こそ……っ」

勇人は力強く
僕に同意してくれて、
僕の方に腕を差し出す。


慌てて僕も
自分の腕を
勇人に軽く当てると、
いつもの『儀式』を実行。


幼い時からの……
二人だけの儀式。


右から左から正面で……。

いつの間にか何かを
実行するときの
『儀式』に
なってしまったものを


すると、
自分でも不思議なくらいに
力がわきあがっくる。


「まぁ、
 勇ちゃんも
 千尋君も頼もしくなっちゃって。
 さっ、私も勇ちゃんや
 千尋君に負けないように
 動かないとね。

 看護部長からの
 許可も頂いてることですし、
 看護師の統率と病棟患者のことは
 水谷さんに任せなさい」


エレベーターの
扉が開くなり、
水谷さんはそう言って
自分の胸をトンと
右手で叩くと院長室の扉を開く。

そして僕たちは、
弁護士医師と共に
今後の病院の対策を話し合って
それぞれの職員たちには
それぞれの持ち場に
戻ってもらい、
僕も勇人も
オペ室の前に
じっとしていた。