処置室から連れ出した患者を
中央オペ室に移動させながら、
目前に広がった
ガラス越しの空を見あげる。





澄み渡った空から、
ふとアイツの声が聞こえた気がした。












『また逢える日まで……』









ストレッチャーから離れて、
一人立ち止まったオレも、
心の中で呟く。





『そうだな。

 早く戻ってこいよ』






窓越しに、
木々が青い葉を揺らすのを感じた。






「安田、何してる?
 入るぞー」


「今行きます」





オレは……
今日も新しい一歩を
踏み続ける。






オレ自身の未来を
刻み込むように。









忘れていた……
大切な宝物を抱きしめて。






























The End