『末期の水』

『エンゼルケア』



そして……アイツが病院を去る時には、
手のあいたスタッフたちが見送ってくれた。




アイツの帰りたかった自宅で、
一晩過ごして、納棺の儀。


斎場へと運ばれたアイツを偲んで
高校の時の部活の奴らが
顔を出してくれた。




翌日……、
アイツは仲間たちに見送られて
天国へと旅立った……。










アイツが旅立っても、
オレの前には
いつもと変わらない朝が訪れる。












海斗……
今頃、向こうで元気に過ごしてるか?








出勤前。




真っ青に
晴れ渡る空を見上げる。





咲きはじめの桜が、
ゆっくりと姿を見せ始めていた。