数日後。



病棟を回っていたオレのPHSが震える。


連絡してきたのは、
ケアセンターのスタッフ。



一緒にまわっていた、
成元御大の許可を得て
アイツが待つケアセンターへと
駆け出していく。








ケアセンターの
アイツの部屋に駆け込んだオレは、
白衣を脱ぎ捨てて、
アイツの傍に座り込んで
海斗の手を握った。






モニターに映し出される
心電図の波形は、少しずつ変化して
最後の時が近づいていることを告げる。








やがて……そのモニターが映し出す
波形が一直線になった時……
海斗の命が旅立ったことを知った。






掌越しに伝わるアイツの感触は、
まだこんなにも暖かいのに……
アイツはもう動かない。






残された時間を
精一杯生き抜いて……
天国へと旅立ったから。









ゆっくりとドアが開いて、
オレの肩に触れた存在。






その人は……
床に落とした白衣を拾い上げて、
オレに羽織らせた。