「まぁ、頑張れよ」


「あぁ。
 ってか、お前用事あったんだろ」




嵩継の言葉に、
喉元まで出かけた言葉を飲み込む。




「どうした?」




アイツの優しい目元が、
俺を覗き込む。




「今日、時間あったら
 話して欲しいんだ。

 俺の病気のこと、体のこと全て。

 上村先生の都合も聞いて、
 良かったら二人で病室きてくれたら
嬉しい」





一気に絞り出すように吐き出した言葉。





「あぁ、今日中な。
 夕方くらいになってもいいか?」
 

「別に何時でもいいよ」 


「了解。
 ベッド、少し起こしとくか?」






そう言うと、
ベッドの頭元側をゆっくりと電動で
持ち上げると、ベッドの力を借りて
俺自身の体がゆっくりと起こされた。




「辛くなったら、
 また看護師に頼めよ。

 なんか雑誌読むか?

 欲しいもんあったら、
 今なら買いに行けるぞ」


「とりあえず、
 昨日おふくろが買って来てくれたから
 今はいいよ」





そういうと、
嵩継は病室から出て行った。






ベッドからずっと、
見つめ続ける外の景色。