「……すいませんでした……」
大声で……
謝罪したオレに
院長は言った。
「嵩継、謝るのは
私じゃないよ。
もう一度……
井津君と心から
向き合いなさい」
っと。
そして
……その後……
こうも続けた。
「……もう……
大丈夫だな」って。
厳しい中にも
優しさのある
声色で……続けた。
「……院長……。
オレ、今日から……」
今日から……
仕事に復帰します
宣言したオレに……
院長は、
もう一日……
休みをくれた。
明日から……
通常シフトに戻れっと……。
オレが……
海斗に……
本気で
向き合うための
準備期間。
……大丈夫……。
アイツは……
もうすぐ帰ってくる。
その確信が……
確かにオレには
存在するから……。
院長を送り出して
ダイニングで
食事を済ませると
海斗が
眠る病室へと向かう。
ナースステーションに
近い位置の個室。
海斗の病室は……
オレが知っていた場所とも
変わっていて……
扉の前……
ドアに片手をかけて……
深く深呼吸。



