Eternal Silence



「ある意味……
 熱、
出てよかった……ですね」

「はぁ?」


「あの雨に打たれたままで、
 熱も出ずにケロってしてたら
 それはそれで
 問題じゃないですか?

 千尋ほどじゃないけど、
 僕も一年に何回かは
 寝込むんですよね。


 だけど……その度に
 何か、そこから……
 新しいきっかけが
 見つかるって言うか……。

 『熱』と心も……
 もしかしたら……
 繋がってるのかも
 知れないですね……。


 嵩継さん……

 今日は
 ……晴れた顔……
 してますね」



勇人はそう言いながら
にっこり微笑んだ。



「院長は?」

「父さんは……
 さっき、少し……
 着替えにかえってきてたかな。

 動けそうなら……
 リビング、顔出してきたら?

 千尋や
 Rizママも心配してたし……」
 

 勇人に促されるまま
 オレは着替えを済ませて……
 部屋を出ていく。


 一階に
 降りたオレは
 出掛ける前の
 院長を捕えた。



「院長」


 慌てて……
 駆け寄ると
 
 謝罪の言葉を
 述べた。