『……海斗……。 行くなっ、戻ってこい……』 うわ言のように、何度も何度も 魘されながら紡ぎだす嵩継の言葉。 そんな嵩継を見つめていたら、 あんなにも逃げ出したかった この世界に、もう一度戻りたくなった。 嵩継の元へ帰りたい……。 ゆっくりと念じた瞬間、 俺は強い力で、引き戻された。 辿りついた場所は、 俺の本体が眠り続ける病室。 その部屋で…… ゆっくりと、 自らの体に魂を重ねるように 横たわった。 朝が来たら…… アイツの元に戻れますように。