目を開けた時、
俺はベッドに横たわり
機械に繋がれた俺自身を見つめた。






ゆっくりと俺自身の体に
手を伸ばすものの、
手はすり抜けて、
その体に触れることすら出来ない。





体の上に自らを重ねるように
寝そべってみても、
何一つ変わらない。







目を閉じると、
ただ真っ白な空間だけが
浮かび上がっては消えていく。





そして目を開けると、
そこには機械に繋がれた俺自身。







屋上から飛び降りて……
助かっちまったのか。






今の現状を受け入れるしかなくて、
俺は俺自身の体の隣。



ベッドサイドのパイプ椅子に
座りながら、
ただ黙って見つめていた。







扉が開くたびに、
ラスボスが何度も入室しては、
様子を見て病室を出ていく。








嵩継の姿は……
目覚めてから一度もみていない。







声は聞こえた気がしたんだけどな……。








怖いもの見たさで、
パイプ椅子から立ち上がると
ゆっくりと体から離れてみる。





ラスボスが開けたドアから
同時に抜け出そうと思って立ち上がったのに、
無情にもそのドアは俺が通る最中に、
ゆっくりと閉じていく。



そのドアは俺をすり抜けて、
カチャリとしまった。





マジ?



俺、ドアを普通に通過しちまってんのか?