「勇人……だったら、
尚更オレは」
「海斗さんに合わせる顔ないって?
それって嵩継さん、
自分に甘えてるだけですよ。
嵩継さんの行動は
何も海斗さんの為になってない。
海斗さんが
今も望み続けるものって、
僕は嵩継さんしかいないと思いますよ。
でもそれは医師としての嵩継さんでも、
ずっと苦しんでる嵩継さんでもない。
今までと何も変わらない、
あの頃のままの自然体の
嵩継さんです。
求めるものは
……僕も同じですから……」
……自然体のオレ?……
自然体のオレ
……今、
勇人に言われて気付いた……。
そうだ
……アイツと再会した後のオレ
自然体だったろうか……。
いやっ……。
再会した時から
常に……アイツから逃げて……
アイツの病気から逃げて
現実から逃げて……
逃げ続けてた
アイツに……
自然体で……
笑いかけて
やれただろうか?



