怖かったようでお札を取ってから一目散に駆け出して戻ってきて息を切らしている。

「ちょーこえぇー 神社の窓って言うの? あれがさ、風もないのにガタガタって。俺、腰抜かしそうになった」

「あたしたちも神社から帰るとき、泣き声が聞こえたの!」

「俺なんか、足首を掴まれた気がしたんだぜ!」

皆が戻ってくると、口々に霊体験を話しだす。

近くにいるテニス部とサッカー部の顧問は笑いながらそれを受け流しているよう。

生徒たちがわざと怖がらせようとしているに違いないと頭から決めつけているのだ。

毎年、そんなことが繰り返されているから。

でもあたしは本当なのだと思っている。

ひかりがやっているに違いない。

そんな体験を聞いたこれからの生徒たちはこわごわと出て行く。

そして最後は小杉と彼女だった。