「なんだー 誰もいないからって、イチャついているのかと思ったよ」

「イチャ……」

そう言えば、そんな雰囲気なんて少しもなかったな。

みのりの勘ぐりにあたしは苦笑いを浮かべる。

「早く食堂へ行こうよ」

あたしたちはそのまま食堂へ向かった。

夕食後、広い談話室に皆は移動する。

そこで、灯りを消し一本の太いロウソクだけ点けた状態で、某タレントの怖い話を流すのだ。

その後、これから行く神社の怖い噂(これは作り話)を肝試し担当の男子がこわーく話すのだ。

夕食を食べていても翔平が気になった。

ひかりのこと、話してしまっても良かったのだろうか。

少し離れた場所に男子部員たちと座り、楽しそうに話しをしながら食べている翔平を見て少しホッとする。

「亜美、翔平と神社の時なんかあった?」

そこへみのりが鋭く突いてくる。