書きだしながら、頭に渦巻いているのはひかりの『邪魔をしたら殺す』と言った言葉。

本当にあたしを殺すの?

親友だったひかりはそんなことは絶対にしないと信じたいけれど、あの不気味な声は耳について離れない。

ふと、誰かの視線を感じて顔を横に向ける。

「玲奈っ!」

玲奈が横に立ってノートを覗きこむところだった。

急いでノートを閉じる。

「そんなに深刻な顔をしてどうしたの?」

閉じたノートの事はなにも言わずに玲奈はあたしの隣に座る。

「えっ? そんなに深刻そうだった?」

「まあね。勉強でもしない顔だったよ」

玲奈はフッと笑う。

「あの――」

玲奈のお兄さんの電話番号を聞こうとすると、玲奈はポケットから小さなメモを出してあたしに差し出す。