「なにかあったら、妹に連絡を取るように言って」

「えっ……?」

「なにもないといいね」

この人はあたしのことをお見通しなのだろうか。

ここには翔平たちもいるのに、あたしだけしか拓磨さんは見ていない気がする。

「失礼」

拓磨さんはそう言うと、あたしの両肩をポンポンと叩いた。

その途端、スッと身体が軽くなった気が。

「ぁ……」

「水には近づかない方がいいよ。じゃあ」

「え?」

拓磨さんは微笑むと、歩き出した。

「亜美、またね!」

玲奈は他の友達にも手をあげて挨拶して、お兄さんの後を追った。