「あたし、部室にもう1本置いてあるから取って来るね。亜美は大丈夫?」

「まだ半分くらい残ってるから大丈夫だよ」

「じゃ、あたし行ってくるねー」

みのりはあたしにそう言い残し、顧問に預けた鍵をもらって部室に行った。

「集合― ボレー&スマッシュやるよー」

各自玉拾い組と練習組に別れてコートに立つ。

1時間ほど経っただろうか。

これからレギュラーの練習試合をするために、先輩があたしたちを呼んだ。

「あれ? みのりは?」

ざっと見た先輩はみのりの姿がない事に気づく。

「そう言えばスマッシュ&ボレーのときもいなかったね」

もうひとりの先輩が言う。

「そんなに? 具合悪くて帰った?」

あたしが最後にみのりを見たのは飲み物を取りに行くとき。

急に体調が悪くなって部室にいるのだろうか。