でも…そんな風にも答えられないので、

「うん…準備運動なら…」

と言う。
ああ…面倒な奴って思われたかな?って
思ったけど、
たきのりはそんな思いも吹き飛ばすくらい、
とんでもないことを言う。

「ねえ…キャッチボールも、準備運動だよね?」

はい?

「え?どうなんだろ…」

なんか違う気もしなくもないけど…

「あ!仮に準備運動じゃなくても、あんまり激しく動かなきゃ大丈夫なんでしょ?」

「うん…まあ…」

そうだけど…
まさか…キャッチボールをやれと?
でも、やったことないし…

どうしよう…

なんて考えていたら、


「彩音ー!いくよー?」

っ!!!!

いきなり、雪乃が私の方に、何かを投げつける。

「わわわ!!!」

私は思わず、受け止めると…

「ナイスキャッチ!!できそうじゃん?」

とたきのりに言われた。

「え?え?」

そんな、急に言われても…
私が混乱していると、

「それ、私の予備。貸してあげるね!」

と雪乃に言われる。

見ると私が受け取ったのは、
体育着だった。