というわけで放課後、テスト前で部活がない雪乃も誘って図書室で勉強をする。

一緒に勉強すると言っても、図書室では静かにしなきゃいけないので、
私は英語、たきのりは生物、雪乃は数学と
それぞれ違う科目を勉強していた。

静かに黙々と勉強する。

聞こえるのはペンを走らせる音。

それから、何かを転がす音。

…ん?

転がす音?って何だ??


「雪乃、なにしてんの?」


音の出所である雪乃をみたら、一心不乱に2つのサイコロを転がしていた。


「中々、目が揃わないんだよねー」

「いや、だからなにしてんの?」


転がすたびにノートの正の字に一本ずつ線が加えられている。

「なにって、この問題解いてるの。2つのサイコロを振って、同じ目が出る確率を求めなさいって問題。」


「そのくらい見りゃわかるわ。私が聞きたいのは、なんで公式も使わずにそんな力技で解いてるのかって…」


「え?公式って何?」


あ…そうだ。こいつ脳筋だった。