「彩音さんが、騒がないだなんて…」

ちょうど回診にやってきた先生が、
おとなしく採血されている私の姿を見て驚く。

「私、普段もそんなに騒いでないと思うんだけど…」

「そうでしたっけ?」

ちょっとイラッとしたけど、
今はそれどころじゃない!

「…それより!外出許可の約束。
覚えてるよね!」

明日、学校に行きたい!

「はいはい。
熱は…もうないみたいですね。
じゃあ、今から診察をして、決めましょう。」


胸の音を聞いたり、
脈を測ったりして…

「どう?明日、学校に行っていい?」

「まあ…大丈夫でしょう!」

「やった!」

「ところで、明日は親御さんはいらっしゃいますか?」

「え?なんで?」

「学校まで、一人で行かせるのは心配ですので。」

「は?いやいや大丈夫だよ!
こっからそんなに遠くないんだから!
一人で行けるって。」

「ダメです!
どうしてそんなに一人で行きたがるんですか?」