それから、陸人が頭から離れなかった。
だから真奈美の声が届くはずもなく…
───バコッ
「いたっ…」
「あたしの話聞いてなかったでしょ!?」
「き、聞いてたよ」
「じゃあ、何て言ったよあたし」
うげっ、
そんな…わかんないよ〜
だから黙ってると、
「ほら、聞いてなかったんでしょ」
「ご、ごめん」
「やだー。バツとしてコンビニでお菓子買ってきて」
「えっ…」
まって、もう22時過ぎてるよ?
だから補導されちゃうじゃん
「優花の顔なら補導されないから行ってきてー」
「なにそれ!」
あたしの顔が老けてるってこと!?
「大人っぽいってことだからねー」
「あ、なるほど」
でも補導されないとは言いきれないよね
「早く〜」
「真奈美も一緒に行こ」
「なんで?」
なんでって…
実を言うと、1人で夜出歩くのが怖かったり…
「…わかったよ!一緒に行ってあげる!」
「やったぁ」
「その代わり、人が多いとこ行くからねー」
「な、なんで!?」
真奈美、なんでそんな意地悪なの…

