「優花、寒くないか?」
「ううん、大丈夫だよ」
また素直になれなかった。
ほんとは寒いのに…
陸人はなんでこんなダメなあたしなんか好きになったの?
あたしよりいい人なんていっぱいいるのに。
「優花、どうした?まだ怒ってる?言わないと俺もわかんねぇぞ?」
「怒ってないよ」
「そっか、ならいいんだけど」
こんな素っ気ない態度とるなんて、あたし可愛げないよね。
「ねぇ陸人、なんであたしなの?」
「なにが?」
「なんであたしを好きになったの?あたしよりいい人なんていっぱいいるじゃん」
「俺は完璧な人なんて望んでねぇの。それに、優花だから好きになったんだよ。優花が優花じゃなきゃ好きになってなかった。」
あたしも陸人が陸人じゃなかったら好きになってなかった。
あたしなんでこんな変な事聞いたんだろ。
ちゃんとわかってたはずなのに。

