「よく出来ました」
そう言って、あたしの頭を触ろうとする太田くん
「触らないで」
「なんで?俺彼氏なのに触っちゃダメなの?」
言い返す言葉がなかった…
アイツに言われて思い知らされた。
あたしの彼氏は陸人じゃないんだ、太田くんなんだって…
「あ、元カレの電話番号とか消しといてね?」
コイツ、元カレを強調して言った…。
どれだけあたしを苦しめたいの?
「なぁ、早く消せよ」
なんでそんな命令口調なの?
なんでそんなにすぐに人が変わったようになるの?
「聞いてんのか!!」
「きゃっ…」
叩かれた…
ほっぺ叩かれた…
悲しくて、痛くて、怖くて、涙が出てきた。
「ごめん、優花…。俺なんで叩いたんだろ…?ほんとごめんな?」
もうやだよ…
「優花、あの人の電話番号消してくれる?」
優花って呼ばないで…
呼ぶのは陸人だけでいいから…
あたしは、スマホを太田くんに渡した
「消したかったら消せばいいから…」
「じゃあ消すね」
消されちゃうんだ…
でもあたし、陸人の番号覚えてるんだよね…