大人のあなたと子どものあたし。











「優花帰ろ〜」






いつの間にか放課後になっていた。






「真奈美、ゴメン!今日ちょっと用事があって…」




「ん?学校で?」




「そう…!ほんとゴメンね!」




「わかった〜。気を付けてね?」




「真奈美もね!」






そう言って、真奈美と別れた。




よし!体育館裏に行くぞ!


大丈夫、あたしなら大丈夫…!




あたしは、呪文の様に心の中で繰り返した。






「よし!」






あたしは、体育館裏へ向かった。






「……やぁ、遅かったね」




「──っ!?」






なんで…?


なんで太田くんなの…!?




あたしは思わず逃げ出そうとした。






「何逃げようとしてんの?」




「きゃ…っ」






太田くんに腕を掴まれて、あたしはバランスを崩した。




でもなぜか、太田くんに抱き締められる様な形になってる






「はっ、離して!」




「酷いなぁ、せっかく支えてあげたのに」






支えてくれたのは嬉しい。


でも、なんでこんな形になっちゃうの…?






「あのさぁ、俺今日まなみんに殴られたんだよね〜」






真奈美、ほんとに殴っちゃったんだ…


あたしのせいで…






「で、どう償ってもらおうかなーって」






償う…?


どういう事?




真奈美がアナタを殴ったのは、アナタがあたしを付けてたからでしょ…?




なのになんで?




この人、訳が分らないよ。