あれから一ヶ月。
一週間前に智也の教育実習が終わった。
だから、学校で太田くんから守ってくれる人が真奈美だけになった。
そして、智也がいなくなってから一つ変わったことがある…
「真奈美、今日も家来てくれない…?」
「いいけど…、なんかあった?」
「なにもないよ〜」
真奈美にはまだ言えてないんだけど、誰かにつけられてる気がするんだ。
でも、真奈美といるとそれはなくて…
だから、真奈美には申し訳ないんだけど、家まで来てもらってる。
「ねぇ、ほんとに何もないの?」
「なっ、ないってば…」
「何かあったらすぐいいなよ?」
「うん、ありがと…」
ごめんね、真奈美…
ホントは今すぐ言いたいんだけど、迷惑かけちゃうから言えないんだ…。
それにしても、後ろに誰かいるような気がして振り返ってみても誰もいないんだよね。
最初は太田くんかなって思ったんだけど、あの事があってから話してないから違うと思う…
だから誰かわからなくて、ホントに怖い。