「じゃあね、優花!」
「うん、気を付けて帰ってね」
真奈美の家のが学校から近いのに、マンションの下まで送ってくれた。
もう暗くなってきたから心配だな…
「じゃあね〜」
あたしは、真奈美が角を曲がるまで見送った。
今日は散々な一日だったな…
もう太田くんには近づきたくない。
こういう時こそ陸人に会いたい。
優しく抱きしめて、大丈夫だよって言って欲しい。
そう思うと会いたい気持ちが抑えられなくなって、あたしは陸人に電話をした。
──プルルルル…プルルル……
『はいはーい、どうしたぁ?』
「陸人、今大丈夫?」
『今?あー仕事中だけど大丈夫だよ』
陸人、まだお仕事終わってなかったんだ…
じゃあ今日は会えないのかな…?
「お仕事の邪魔してごめんね」
『そんな事ねぇよ?なに、なんかあった?』
「ううん、何もないよ」
お仕事の邪魔は出来ない。
だから、あたし強がっちゃうんだ…。

