「じゃ、俺優花の後に出てくから先教室戻れ」
「うん、わかった」
そして、屋上の扉を開けたその時、
「あれ〜?鳴神さん、なんでこんな所にいるの?」
「おっ、太田くん!?」
太田くんが扉の前に立っていた。
な、なんでこんな所にいるの!?
智也とここにいたってバレちゃう!
なんとか誤魔化さなきゃ…!
「あ、あの…あたし迷子になっちゃって…」
「ふーん?でも屋上って鍵かかってるよね?」
「そっ、それは…」
どどどうしよう…
「ん?鳴神さんの他に誰かいるの?」
「いやっ、いないよ…?あ!ダメ!」
あたしを押し退けて屋上に行こうとする太田くん。
もちろん、押し返そうとしてもあたしの力じゃ塞げきれなくて…
お願い、智也隠れてて…!
「なーんだ、鳴神さん一人だったんだ!」
「えっ?」
太田くんがそう言ったから後ろを見てみると、智也はいなかった。
よかった…
智也隠れてくれてたんだ…
「でも、屋上なんて入っちゃダメだよ?この事は秘密にしててあげる!」
太田くんはそう言って、
──チュ
あたしのほっぺにキスをした。
あたしは訳がわからず、頭が真っ白…
どうしよう、倒れちゃいそう…
「じゃあね〜」
太田くんが去って、ホッとした。
それと同時にあたしは意識を失った…

