大人のあなたと子どものあたし。











「はーい、席に着けー!って太田だけじゃねぇか、座ってないの!」




「あっ、ごめんなさ〜い」






と、太田くんが謝るとみんなが笑った






「よし、お前らにいい事教えてやる!」




「なになに、教育実習の先生来るの!?」






先生の言葉に美穂ちゃんが早くも食いついた。






「正解!」






誰が来るんだろ〜?智也かな?


って、あたし智也しか知らないんだけどね…






「入ってきて〜」




「はーい」






ん?この声って!




入ってきた教育実習の先生を見ると…、






「川北智也です!今日から一ヶ月くらい、みんなよろしくお願いします!」






智也だ!




知らない男の人じゃなくてよかったぁ…






「やばい、イケメンじゃん!智也先生、美穂って言います!!」






智也先生だって…!


笑っちゃう!






「はいはい、今からみんなの自己紹介の時間にするから!じゃあ、浅井から」




「俺、浅井夏輝って言います!好きな食べ物は……」






そうして、みんなの自己紹介が始まった。




みんなよく喋るなぁ…


あたし、そんなに言えないよ。




何を言おうか考えてる内にあたしの番になっていた。






「なっ、鳴神優花です…!好きな食べ物は…」




「オムライス!あっ…、すいません、そんな気がして…」






もう!智也!


知り合いだってバレちゃまずいのに…






「はは!お前勘がいいんだなぁ!」






そう笑いながら言って、智也の背中を叩く先生。




先生が鈍感でよかったぁ…